文部科学省「大学入試のあり方に関する検討会議」(第2回)概要

第2回検討会議では、萩生田文部科学大臣より、挨拶の中で「白紙から検討」の意図について改めて説明があった。意図としては、高大接続そのものや、英語のよるコミュニケーション能力や思考力・判断力・表現力を育成・評価することの必要性は変わるものではなく、これらの重要性を踏まえた上で、入試と高校教育や大学教育との役割分担をどう考えていくか、どこまでを入試で問うべきか、共通テストと各大学の個別入試との役割をどう考えるかなどについて議論をしてほしいとのことであった。

その後、文部科学省より過去の検討経緯の整理について説明が行われ、意見交換が行われた。意見交換後、川嶋委員、牧田委員の意見発表が行われた。

萩生田大臣「受験生が安心して受験できるよりよい制度を構築するために、これまでの課題や経緯を検証しつつ方向性を議論いただくために会議を設置した。高大接続改革そのものや英語によるコミュニケーション能力や思考力・判断力・表現力を育成・評価することの必要性に変わりはない。それを踏まえたうえで、入試と高校教育、大学教育の役割分担をどう考えていくのか、どこまでを入試で問うのか、また、共通テストと個別試験の役割分担をどう考えるのか議論いただきたい。」

意見交換における主な意見

  • 2020年から実施というターゲットイヤーに縛られてしまい、実現可能性やリスクについて検討がされずに進んでしまったのではないか。

  • どのような意思決定がなされて最終的にこうなったのか、検証する必要がある。

  • 高校教育で英語4技能を育成することと、入試で英語4技能を測ることは別ではないか。4技能すべてを測る必要性はあるのか。高校が証明すれば大学はそれで評価する。

  • とりまとめの際には、直ちにできることの他に、将来に向けた検討課題を残すことも重要ではないか。この会議で解決できないことはしっかりと引き継ぐべき。

  • 離島と本土の間には経済的な格差が存在するので、そういった地域格差・経済格差についてしっかりと考慮したうえで検討してほしい。

川嶋委員の意見発表

  • 入試に過大な役割が期待されていることが問題である。高校教育、大学教育、入試の各々の役割で進めるべきものである。
  • 限られた時間で何を議論するのか、本会議のアジェンダ、射程の明確化、合意形成がまず必要。

牧田委員の意見発表

  • 記述式は採点者の主観が入る、各大学が各大学の基準で責任をもって行うべき。
  • 一連のプロセスの中に入試があるので、入試だけ考えても解決しない。
  • 日本はシステム的に、中卒では一人前の給料がもらえない。ドイツのように、義務教育修了後にたくさんの道を用意すべきではないか。